2013年11月5日火曜日

風邪

悦に入っているときにはかっこいい人が頭をよぎり、弱っているときは優しい人が頭をよぎります。

自分に空いた穴を埋めてくれる人を勝手に探してしまいながら、
そうやってきょろきょろ脇目をふりながら、
なんだかんだで「そこにいるのに見えない何か絶対に逆らえないもの」、を目で追おうとしています。
いつも。
絶対に見えないのに。

俺がやりたいこと、
俺がやるべきこと、
俺がやれること、
ってよくいうけど、

みんながやりたいこと、みんながやるべきこと、みんながやれることって。

「そこにいるのに見えない何か絶対に逆らえないもの」。

そいつの視線のむこうにある「ずっと先にあって見えないもの」が、
仮にね、
究極的に美しいものであっても、
完全に真なるものであっても、
底なしに善いものであっても、

「絶対に逆らえないもの」がその身体を動かす以上、暴力性をもつとしたら。

その外にいる人たちは、ブルドーザーにいとも簡単に弾き飛ばされる。


感覚を共有する実感覚、これが連鎖していく夢想が人を養っているとしたら、

この共有の夢想の外側にいる人は、あわとなって消えていく。


この夢想の目指す先が、
人、自身でない限り、
仮に手を外に差し伸べたとしてもその手は相手を握りつぶす。

この手は、「絶対に、逆らえない見えない何か」の手。


絆という言葉の一人歩きが鎖にしか見えないように、
仲間という言葉のやまびこが時折監獄を連想させるように、
蜘蛛の糸、
強く強く、

中にいる限り、

でも出たら死んでしまう。

きっとそこにいる見えない何かに頼りつつ、
でもそこにいる見えないやつでなく、
ずっと先にあって見えないものを、
見ようと、
見えないけど絶対に、
でも。

怖い。

悪寒がする。

寒い。

風邪をひいた。

寝ます。

夢でもしーあえーたらー
すてきなふんふふーんふんふんふんふん

ふん

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